フィラリア予防薬のもつ効果とは?

薬の画像何度か触れているように、フィラリア予防薬は犬のフィラリア症を予防するための薬です。

そのため、フィラリア予防薬の種類によって有効成分に違いはあれど、効果は共通して「フィラリア症を予防する」というものです。

しかし、これだけでは曖昧な部分も多く、よくわからない方も多いことでしょう。

フィラリア予防薬の効果は、もう少し詳しく説明すると「フィラリア症を引き起こす原因である、フィラリアの幼虫を死滅させる」効果があります。

 

フィラリア症はどうやって発症するの?

ペットと獣医フィラリア症は、体内に入り込んだフィラリアの幼虫が心臓や肺動脈に住み着き、成虫へ成長して繁殖することで発症します。

蚊を媒介して侵入した幼虫は、約2~3ヶ月の時間をかけて成長し、犬の体内を移動して心臓や肺動脈に寄生します。

成虫になるまでには約6~7ヶ月の時間がかかるので、感染してから6~7ヶ月経つ前に幼虫を駆除すれば、フィラリアが成虫になることはないのでフィラリア症を発症することはありません

 

フィラリア予防薬はフィラリアの幼虫に作用し、さまざまな仕組みで駆除効果を発揮します。

どのような仕組みで効果を発揮するかは成分によって異なり、たとえばイベルメクチンという成分なら、フィラリアの幼虫の神経伝達を阻害することで麻痺させます。

また違う成分であれば、フィラリアの幼虫の筋肉に働きかけることで痙攣性の麻痺を起こして死滅させます。

どこに作用するかの違いはありますが、麻痺させて死滅させる効果がある成分を使っていることが多いので、これがフィラリア予防薬の基本的な効果といえるでしょう。

 

フィラリア薬には「さかのぼり効果」がある

時間のイメージ画像フィラリア予防薬には基本的な効果以外に特徴的な効果があります。

これが「さかのぼり効果」と呼ばれている作用で、体内に入り込んでから日が浅いフィラリアの幼虫だけでなく、投与日した日よりも前に体内へ入り込んでいたフィラリアに対しても効果を発揮します。

この効果によって、フィラリア予防薬を与えるときに何らかのミスがあっても、ある程度カバーできるようになっています。

 

さかのぼり効果の対象になるのは、投与日からさかのぼって30日以内に犬の体内へ侵入してきた幼虫です。

つまり、投与日から1ヶ月以内なら、投与日よりも前に侵入していたフィラリアの幼虫も含め、一度に駆除することができます。

そのため、何らかの理由で前の月の予防が不十分だったり、ちゃんと予防薬を飲ませたりすることができていなくても、その分をカバーできます。

フィラリア予防薬の飲み忘れに気付いたとき、短い期間であればすぐに飲ませれば問題ないのには、このさかのぼり効果に理由があります。

 

しかし、さかのぼり効果はフィラリア予防の途中で発生したミスを全てカバーするものではありません。

対象となるのは投与日からさかのぼって1ヶ月以内の幼虫のため、それよりも前に体内へ入り込んでいた分には駆除効果が発揮されません

そのため、それよりも前にフィラリアの幼虫が体内へ入り込んでいた場合、成長を食い止められず、最終的にフィラリア症を発症してしまいます。

さかのぼり効果は、あくまでも「ある程度」のミスをカバーしてくれるもので、全てのミスを完全にカバーしてくれるものではないことを覚えておきましょう。

 

使い方によっては効果が落ちてしまう

薬の画像フィラリア予防薬の効果は高く、しっかり飲ませていれば、フィラリア症を100%予防できます。

毎月予防薬を1錠飲ませるだけで、確実にフィラリア症から愛犬を守ることができるので、非常に優れた薬だといえます。

しかし、この予防効果はどのような飲ませ方をしても維持されるものではありません。

飲み残しや飲ませ忘れがあれば当然予防効果は落ちてしまいます。

フィラリア予防薬は毎月しっかり飲ませるよう呼びかけられているのは、確実な予防効果を維持するためでもあります。

 

予防薬の飲み残しや飲ませ忘れがあると、予防効果は100%から84.4%にまで低下するといわれています。

フィラリア症に感染する可能性が0%から15%に上昇するため、飲み残しや飲ませ忘れがあるだけで確実に予防できたものが予防できなくなってしまいます。

実際に感染するかは、愛犬と一緒に生活している環境次第ですが15%もの確率でフィラリア症に感染してしまう状態になってしまうので大変危険です。

さかのぼり効果があるから大丈夫とも考えてしまうかもしれませんが、さかのぼり効果は一度低下した予防効果を元に戻すものではなく、あくまで確率を下げない猶予が長くなるというだけです。

あくまでも、一定期間中に入り込んでいた過去のフィラリアの幼虫も駆除する効果であって、低下した予防効果はそのままの状態です。

飲み残しや飲ませ忘れは愛犬を危険な目に遭わせてしまう可能性だけでなく、せっかくのフィラリア予防薬の効果を落としてしまうので忘れず確実に予防を行うためにも適切に投与しましょう

 

フィラリアの予防効果があるのはあくまでも幼虫

医療のイメージ画像フィラリア予防薬の効果は、ご紹介したように非常に優れたものです。

飲ませ忘れがなければ100%フィラリア症の発症を防げるので、愛犬と楽しい毎日を送るためにフィラリア予防薬がいかに重要か理解できるでしょう。

しかし、フィラリア予防薬のこの効果は、あくまでもフィラリアの幼虫に対してのみ発揮されます。

同じフィラリアであっても、フィラリアの成虫に対しては、駆除効果は発揮されませんので注意しましょう。

 

フィラリアの幼虫が成虫になってしまった場合、フィラリア予防薬とは異なるフィラリアの治療薬を使って死滅させることもあります。

フィラリア予防薬に含まれている成分は、どの種類でもフィラリアに効果があるものが使われています。

一見、成虫にも効果がありそうにみえますが、フィラリアの幼虫にしか作用しません。

成虫への駆除効果を期待してフィラリア予防薬を飲ませても、肝心の成虫は駆除されないまま体の中に残ってしまいます。

むしろ、その成虫が体内でフィラリアの幼虫を大量に生み出していた場合、その幼虫が一斉に死滅することでペットがショック症状を引き起こす可能性があるので大変危険です。

成虫に対しては専用の駆除薬が使われるので、予防薬を使って駆除しようとするのは避けましょう。

どうしても体内にフィラリアの成虫がいる犬へ予防薬を使わなければならない場合は、必ずかかりつけの獣医師とよく相談し慎重に投与してください。

 

 フィラリア薬の効果は大きな負担がかかる?

ぐったりした犬の画像フィラリア予防薬の効果が高いと聞くと、犬の体に何か大きな負担がかかるのではないか、不安に感じる飼い主の方もいらっしゃるでしょう。

予防薬を使いたがらない意見を口にしている方の中には、効果が高い薬は怖いものと考えている方も多いようです。

しかし、フィラリア予防薬に配合されている成分は犬の体に大きな負担をかけるものではありません。

どのような成分でも、予防薬に配合されているものはフィラリアの幼虫にのみ効果を発揮するように開発されています。

この特徴からもわかるように犬の体に大きな負担や悪影響を与えることなく、フィラリアの幼虫のみを駆除できます。

 

しかし、フィラリア予防薬は犬の体に全く負担をかけないというわけではありません。

医薬品の一種なので、飲ませることによって少しの負担をかけてしまいますが、大きな症状や副作用を引き起こすものではありません。

フィラリア予防薬の効果が犬の体に大きな負担を与えるかのように主張している情報があれば、それは勘違いからきた間違った情報です。

その情報を信じてしまい、フィラリア予防をせずにフィラリア症を発症してしまう。

そうなれば、完全な治療は難しくなりますし、治療による後遺症のリスクもあります。

更に外科的、内科的な治療が出来ないと判断された場合、対症療法でペットが苦しまないようにしてあげることしかできません。

健康なペットよりも当然、辛い思いをするでしょうしペットが亡くなってしまうまで続くわけです。

ペットが苦しく辛い思いをしているのに、助けてあげることができずペットの死が訪れるのを待ちながら対症療法を続けるしかないわけです。

これがどれほど辛いことなのかは、ペットを飼っている人は火を見るよりも明らかでしょう。

 

愛犬への体の負担が気になっていた方も、安心してフィラリア予防薬を使ってフィラリア症を予防してあげる。それこそがペットに対する責任であると言えるでしょう。